小学校受験を目指しているけれど、塾には通わず自宅学習のみで準備したい──そんなご家庭が近年、増えています。とはいえ、独学での受験対策には「何から始めればいいの?」「市販の教材だけで間に合う?」といった不安もつきものです。
この記事では、小学校受験を自宅学習で乗り切るために本当に役立つ教材や知育アイテムをテーマ別にご紹介します。塾なし・独学でチャレンジしたい方はもちろん、塾や家庭教師での学習を補完するため使うのもOKです。
加えて、親ができる関わり方や学習環境づくりの工夫もあわせて解説していきます。お子さまの可能性を引き出すためのヒントを、ぜひ見つけてください。
- 自宅学習で使える受験対策用の教材やアイテム
- 独学でも合格を目指せる学習環境の整え方
- 各分野の力を伸ばす具体的な家庭学習法
- 親が取り組むべきサポートや声かけの工夫
自宅で使える小学校受験向け教材・アイテム

小学校受験を「自宅学習のみ」で乗り切るためには、市販の教材や知育アイテムを上手に活用することが鍵となります。塾や教室に通わなくても、日々の生活の中でお子さんの力をしっかり伸ばしていくことは可能です。
受験で求められる力は、単なる知識だけではありません。思考力・言語力・図形感覚・巧緻性・社会性など、幅広い力をバランスよく育てる必要があります。そこで、ここではそれぞれの力を家庭で無理なく伸ばせるおすすめの教材・グッズをご紹介します。
お子さんの得意・不得意に合わせて組み合わせることで、自宅でも効果的に受験対策が進められます。まずは、具体的なアイテムを見ていきましょう。
思考力を伸ばすおすすめドリル・プリント教材
小学校受験では「記憶力」よりも「考える力=思考力」が問われる問題が多く、自宅学習でも意識的にトレーニングすることが重要です。プリントやドリルは、限られた時間で効率よく取り組めるため、独学で受験を進める家庭には特に相性の良い教材です。
国立・私立有名小受験 ハイレベ合格ワーク100(奨学社)
1巻から5巻まで段階的に構成されており、受験に必要な「思考力」「記憶力」「数・図形・言語の基礎力」を体系的にトレーニングできます。「なぜそうなるのか?」を考えさせる問題が多く、イラストや図を用いた設問に力を入れているため、初見問題への対応力も自然に育まれます。
こぐま会「ひとりでとっくん」シリーズ
1冊あたり20ページ程度で構成されており、子どもが自力で取り組めるように工夫されています。「分類」「対応」「位置表象」といった、小学校受験に直結する基礎的な論理力が鍛えられるテーマ別構成も魅力です。
伸芽会 ばっちりくんドリル
受験塾「伸芽会」が監修する本格的な問題集。志望校別・分野別に分かれており、思考系問題に強くなる構成です。中でも「推理・思考」分野のドリルは、自宅で受験用ペーパーに慣れていくのに最適。難易度はやや高めですが、独学でも「本番力」を意識して訓練できます。
こちらの一対多対応では、複数の要素を関連付けて考える力を養います。
七田式プリントA・B
基礎からステップアップできる構成で、就学前の子どもにとって取り組みやすいサイズ感と難易度設計。特に思考・記憶・言語をバランスよく組み合わせた設問が多く、学習の習慣化にも役立ちます。
学研の頭脳開発シリーズ
「思考力」「観察力」「推理力」など、分野別に強化できる構成で、各単元が1回10〜15分で完了する設計。市販ドリルの中では受験に近い設問の質と難易度を持ち、低価格で始められるのも魅力です。視覚的な情報を整理する問題が多く、「見て、考えて、解く」力が身につきます。
自宅に届く通信教育タイプの教材
通信教育は、教材が定期的に自宅に届くことで、学習の習慣化と保護者のサポート負担軽減の両立を実現できる学習スタイルです。きちんとカリキュラムが組まれているため、計画的にお受験に臨みたい方におすすめです。
こぐま会「モコモコゼミ」
小学校受験専門のこぐま会が監修する通信教材では、思考力・言語・数量・図形といった受験頻出の分野を、年齢ごとに段階的に学べるよう設計されています。可愛いキャラクターも人気のひとつ。
特に特徴的なのは、「考える力」に重点を置いた構成で、パターン認識や条件整理といった受験に必要な思考スキルを、紙教材と親子の対話で自然に育てていけます。保護者用の解説も丁寧で、教え方に不安がある家庭にも対応しています。
Z会 幼児コース
幅広い年代の教育ノウハウを提供しているZ会では、幼児コースで子どもの発達段階に合わせた成長が可能。思考力を問うワーク、「ぺあぜっと」に代表される親子の会話を促す体験型課題、豊富な絵本教材が魅力です。
年長コースともなると入学準備の範囲を超えて、受験頻出の「話の記憶」や「条件整理」「図形構成」などにも触れられるワークが増えてきます。さらに、日々の生活や会話の中から論理的に考えたり、相手に伝える力を養う課題も多く、面接や行動観察の基礎にもつながる内容が評判です。
図形感覚が身につく知育おもちゃ・パズル
小学校受験では、立体の構成や図形の分解・合成といった「空間認識力」が問われることが多くあります。図形問題に強くなるには、実際に手を動かして感覚的に理解することが最も効果的。そのため、知育玩具やパズルを取り入れることで、楽しく図形脳を育てることができます。
ニキーチンの積み木(模様づくり)
ロシアの教育学者ニキーチンが開発した知育玩具で、同じ形の積み木を組み合わせてパターンを再現する遊びです。色や形の違いを正確に見分ける力、立体をイメージ通りに配置する力が自然と鍛えられます。
くもんの図形モザイクパズル
複数のパーツを組み合わせてお手本の図形を完成させるパズル。三角形・四角形の基本形を扱いながら、見本通りに構成することで「見て理解する力」「構成する力」が育ちます。受験で必要な「図形の合成・分割」問題に直結します。
おりがみで学ぶ図形パズル
『おりがみで学ぶ図形パズル』は、折り紙を通じて図形の構成や分解、空間認識力を育む教材です。幼児期から小学校高学年まで長く活用でき、思考力や集中力の向上にも効果的です。
マグ・フォーマー(MAGFORMERS)
磁石でつながる図形パーツを使って、平面から立体を作る遊びができる知育玩具です。三角形や四角形などの基本形を自由に組み立てながら、「展開図から立体を想像する力」や「構造の理解力」が自然と養われます。受験の立体構成問題にもつながる感覚が育ちます。
ピタゴラスBASICシリーズ(People)
正方形・三角形・台形などの図形パーツを使って、磁石の力で立体的な構造物を作る玩具。自由な組み合わせが可能なので、空間内での形の変化を感覚的に理解する力が身につきます。複雑な形状にも挑戦できるため、思考の幅を広げるのに役立ちます。
パターンブロック
六角形、台形、ひし形などの基本図形を組み合わせて模様や絵柄を作る遊びです。構成力・注意力を育てると同時に、図形の属性を視覚的・体感的に理解できるため、図形の「合成」「分割」といった受験問題への準備になります。
タングラム
古くからある図形パズルの定番で、数ある図形ピースを使ってシルエット通りの形を作る知育玩具です。正確な図形の回転・位置関係を捉える力が求められるため、空間把握の初期訓練に適しています。持ち運びもしやすく、短時間でも集中して取り組める教材です。
And TOYBOX(サブスク)
知育玩具を定額制でレンタルできるサブスクサービス。有名ブランドや高品質なおもちゃも多数揃えられており、何を買い与えたら良いか悩む親御さんはこのサービス1つだけでもとても助かります。
返却するので片付けられない部屋になることもないですし、もし気に入れば特別料金での買取も可能。もし故障や破損した場合でも、弁償なしで使えるのもありがたいです。
言語力を育てる読み聞かせ用絵本・教材
小学校受験では、語彙力だけでなく「話を理解する力」や「自分の気持ちを表現する力」も重視されます。読み聞かせは、これらの力を自然に育てるうえで非常に効果的な方法です。文章を耳で聞き、場面を想像し、登場人物の心情を理解することで、考える力と言葉の感覚が磨かれます。
特におすすめなのは、感情描写が豊かな物語や、会話のやり取りが多い絵本です。短くても印象に残るフレーズが含まれている作品や、繰り返しの多い構成は、言葉の習得に最適です。
福音館書店「ぐりとぐら」シリーズ
自然な会話のやり取りが多く、子どもが言葉を真似したくなる内容。物語の展開も分かりやすいため、初めての読み聞かせにも適しています。登場人物のやりとりを通して、言葉の使い方や感情表現も自然に学べます。
七田式「かな絵ちゃんフラッシュカード」
単語力や認識力を高める教材で、特に語彙が少ない年齢層の子に効果的。名詞だけでなく動詞・形容詞なども含まれており、受験に出やすい語彙を繰り返しインプットすることができます。
学研「なぜ?どうして?」シリーズ(幼児版)
身近な疑問に答える形式で構成された絵本。思考力や質問力を育てながら、語彙力も同時に鍛えられる内容になっています。「なぜ?」という問いから始まることで、自分の言葉で考えたり話したりする習慣が身につきます。
ポプラ社「おしいれのぼうけん」
40年以上読み継がれている名作絵本。物語性が高く、登場人物の心情が丁寧に描かれており、子どもに「登場人物の気持ちを考える」力を育てるのに適しています。セリフも多く、読み聞かせを通して自然な日本語表現や会話の構造を学ぶことができます。
くもん出版「ことばのえほん」シリーズ
身の回りの物や動作を分かりやすくイラストとセットで紹介したシリーズ。絵と言葉をセットで認識できるため、語彙の定着がしやすいのが特徴です。「はんたいことば」や「しりとり」など、遊びながら言葉のルールも学べます。
手先の巧緻性を高める練習用グッズ
小学校受験では、鉛筆の持ち方、ハサミの使い方、折り紙、紐結びなど、日常的な作業能力=巧緻性も評価の対象になります。手先の動きは一朝一夕で身につくものではなく、日々の遊びや作業の中で少しずつトレーニングしていくことが大切です。
特別な練習時間を設けなくても、日常の中に「指先を使う機会」を増やすことで、子どもは無理なく器用さを身につけていきます。
こぐま会「製作セットB」
小学校受験対策で定評のあるこぐま会の製作セットです。紙コップやモールなどの材料が揃っており、親子で工作を楽しみながら巧緻性を養うことができます。3種類の工作が含まれており、各作業は約20分程度で取り組めます。
KUMON「くもんのはじめてのはさみ」
くもん出版の「くもんのはじめてのはさみ」は、初めてはさみを使う子ども向けに設計された安全なはさみです。補助ばね付きで開閉がしやすく、ステンレス製の刃はしっかりと切れるのに安全性が高い設計となっています。右手用と左手用があり、子どもの利き手に合わせて選べます。
くもん出版「くみくみスロープ」
パーツを組み立ててボールが転がるコースを作るおもちゃ。ピースを正確にはめたり、組み合わせを工夫したりする中で、手指の調整力や空間把握能力が養われます。遊びながらも「目的のために手を使う」練習ができる優れた巧緻性トレーニングになります。
ひも通し4×4 見本帳(こぐま会)
4×4のマス目にひもを通すスタンダードな巧緻性問題集。指定された順番にひもを通すことで、目と手の協応動作(見ながら正確に動かす力)や集中力が向上します。外出先でも使いやすく、飽きずに続けられる工夫がされています。
行動観察・面接対策に使えるロールプレイ用品
小学校受験で欠かせない「行動観察」と「面接」では、知識や技術以上に「自分らしくふるまえるか」「状況に合った行動ができるか」が問われます。ロールプレイ(ごっこ遊び)を通して、家庭でその力を養うことができます。
特におすすめなのは、「先生と子ども」「初めて会うお友だち」「公共の場でのふるまい」など、受験本番に出やすいシーンを親子で再現する練習です。遊び感覚で繰り返すことで、自然な言葉遣いや表情、集団内での立ち居振る舞いが身につきます。
お店屋さんごっこ
レジ、お金、商品パーツなどが揃っており、やり取りの練習に最適。順番を待つ、言葉で注文する、感謝を伝えるなど、社会的スキルを自然と体験できます。親子で店員役・お客役を交代しながら、会話のキャッチボールを習慣化できます。
くもん出版「はじめてのこくごことばカード」
面接練習用の導入として使いやすい言葉カード。単語や短い文章を使って、「好きな食べ物は?」「どんな遊びが好き?」といった基本的な自己表現の練習に活用できます。
エド・インター「ままごといっぱいセット」
木製の食材や調理器具が揃ったままごとセットで、家庭やレストランのシーンを再現するのに最適です。料理を作る→運ぶ→配膳する→会話するという流れを自然に遊びの中で体験できます。
小学校受験の行動観察では「指示を聞いて行動する」「役割分担する」「協力する」といった視点が見られることが多く、こうした再現遊びを通して日常的に準備が可能です。
ボーネルンド「キッチンセンター」
実際のキッチンに近い仕様で、シンク、コンロなどが備わっています。想像力と役割演技が自然に引き出されるため、「片付ける」「分担する」「順番を待つ」などの基本的な生活行動の確認にぴったりです。
兄弟や親子で交代しながら「料理する人・手伝う人・食べる人」などの役割分担を練習することで、集団内での適応力や協調性も養えます。
学習習慣を支える便利グッズ・環境づくり

小学校受験において、自宅学習の継続は成功の大きなカギになります。ただし、「毎日コツコツ取り組む」「集中して学ぶ」といった習慣は、自然には身につきません。特に小さな子どもにとっては、学習の環境やツールがその質と継続性に大きく影響します。
そこで注目したいのが、学習を日常の一部として定着させるための便利グッズや、子どもが自ら学びたくなる環境づくりです。
この章では、「集中力を引き出すアイテム」「学習習慣を支える家庭用ツール」「生活の中で自立を促すモンテッソーリ的なグッズ」などを紹介します。学びやすい環境を整えることで、子どもが前向きに取り組む力を引き出していきましょう。
集中力を高めるタイマー・学習ツール
幼児期の子どもは、学習の「やり方」よりも「環境」に大きく影響を受けます。特に小学校受験の自宅学習では、短時間でも集中して取り組める環境づくりが鍵になります。
タイマーや視覚的に学習時間がわかるツールは、「今からこれだけ頑張る」「終わったら遊べる」という区切りを子ども自身が意識できるようになるため、集中力の向上と学習の習慣化に効果的です。
以下に、自宅学習をサポートしてくれるおすすめアイテムをご紹介します。
タイムタイマー MOD
学習に使いやすい静音設計のタイマー。視覚的に残り時間が赤色で表示され、徐々に減っていく仕組みになっており、時間管理の感覚が自然に身につきます。操作音も少なく、集中を妨げない点が特徴です。
くもんの「こどもえんぴつセット」
学習習慣づくりは、正しい筆記姿勢から始まります。くもんのこどもえんぴつセットは、三角形の鉛筆とグリップ補助具付きで、正しい持ち方と書くことの楽しさをサポートします。短めのサイズで、未就学児でも扱いやすいのが魅力。
学研の「にほんご・さんすうタブレット」
視覚と音声で学べる幼児用タブレット。ひらがな・カタカナ・数の数え方など、基礎学習をゲーム感覚で繰り返し学べる設計になっており、集中力が続きにくい子どもにもぴったりです。タイマー機能も付いているため、一定時間だけ使わせるといった学習管理も可能。
学習の習慣化を助ける家庭用アイテム
小学校受験の準備を自宅で行う場合、「毎日少しずつ続けること」が最も重要です。しかし、子どもにとって“机に向かうこと”を自然な習慣にするには、仕組みづくりや工夫が必要です。
学習そのものよりも、「やる時間」「やる場所」「終わりの感覚」など、家庭でのルールや環境が整っていることが、習慣化の大きな鍵になります。ここでは、日々の学習を無理なく続けやすくする家庭用アイテムを紹介します。
学習スケジュールボード(マグネット式)
毎日のやることを「見える化」するためのアイテム。朝・夕のルーティンの中に学習を組み込むことで、自然と「時間になったから始める」という習慣が定着します。マグネット式のものは子どもが自分で貼ったり動かしたりできるため、主体的な行動も促せます。
「やることリスト」専用ホワイトボード
学習内容を細かく書くのではなく、「プリントを1枚やる」「本を5分読む」といった簡単なタスクを書き出し、終わったらチェックするだけの仕組みです。目に見える達成感が得られるため、子どもが自分から取り組みやすくなります。
習慣化アプリ(親子で使えるもの)
親子で一緒に使える習慣化アプリで、日々のタスクをゲーム感覚で管理できます。子どもの自律性を育むのに役立ちます。
ごほうびシール・ステッカーセット
毎日やるべきことをこなせたらシールを1枚貼るというシンプルな仕組みでも、幼児期の子どもには強力なモチベーションになります。週末にシールがたまったら「好きな絵本を読んでもらえる」など、小さなごほうびを設けると学習を前向きに続けやすくなります。
子ども用デジタル腕時計(タイマー機能付き)
時間の意識を育てるのに役立ちます。たとえば「このプリントは10分以内でやってみよう」と言ってタイマーをセットすれば、メリハリのある学習につながります。また、日常生活でも「〇時になったら勉強を始めようね」と時間の区切りがつけやすくなります。
毎日のルーティンを記録できる「週間カレンダー」
曜日ごとの予定やタスクを自分で貼り付けたり記入できるカレンダーは、「今日は何をする日か」を視覚的に理解しやすくなります。特に、月~金で学習、土日は遊びや復習など、一定のリズムをつけるためにも有効です。
モンテッソーリ的生活習慣トレーニンググッズ
小学校受験では、学力だけでなく「自分のことを自分でできる力」も重視されます。生活動作の自立は、考える力や集中力の土台にもなる重要な要素です。
モンテッソーリ教育では、「子どもが自分の力でできる環境を整えること」が基本の考え方。家庭でもその考えを取り入れることで、毎日の生活の中で自然と自立心や巧緻性を伸ばすことができます。
以下は、自宅で手軽に取り入れられる生活習慣トレーニングのためのアイテムです。
子ども用ハンガーラック・収納棚
「自分で服を選び、たたんでしまう」という動作を習慣にするためには、子どもが手に取りやすい高さや構造の収納が必要です。低めで引き出しの少ないラックやオープン棚などが最適。朝の身支度や帰宅後の片づけの中で、自然と「自分でやる習慣」が身につきます。
プラクティス用ボタン・チャック付き布教材
服の着脱やボタン・チャック・リボン結びなど、生活動作に関わる巧緻性のトレーニングができる布教材です。モンテッソーリ教具としても知られており、子どもが「練習したい」と思えるデザインになっているものが多いのが特徴。手先の動きをコントロールする力が育ちます。
キッチンで使える子ども用調理器具
包丁やピーラー、まぜる器具などを子どもサイズにした調理器具は、家庭での実践的な生活トレーニングに役立ちます。簡単なお手伝いでも、達成感や責任感を感じられるため、「やればできる」という自己肯定感にもつながります。
ステップ台(踏み台)
洗面所やキッチンなど、高さが足りず子どもが一人で行動しにくい場所に置くことで、「手を洗う」「コップを取る」「食器を片づける」などの自立行動をサポートします。滑り止めつきの安定したものがおすすめです。
子ども用食器&トレイセット
陶器やガラスの素材でできた子どもサイズの食器セットを使うと、「丁寧に扱う」意識が自然に育ちます。トレイを使って運ぶことで、姿勢やバランス感覚も養われ、行動観察対策にもなります。
時計の練習ができるビジュアルタイマー
視覚的に「今どれくらいの時間が残っているか」を理解できる時計やタイマーは、生活の流れを意識させるのに最適です。朝の支度や学習時間、自由時間を子どもが自分で管理する第一歩になります。
自宅学習のみで合格するために親ができること

小学校受験を自宅学習だけで目指す場合、子ども自身の努力だけでなく、親の関わり方が合否を大きく左右します。塾に通わない分、学習計画の立て方、教材の選定、日々の声かけなど、親が担う役割は広く、深くなります。
しかし、すべてを完璧にこなす必要はありません。大切なのは「子どもに合った方法で、無理なく継続すること」。そのためには、学習の習慣を家庭内で自然に作り、子どもの意欲を引き出す工夫が必要です。
また、志望校の傾向に合わせて重点を置く内容を見極め、限られた時間の中で効率的に学習を進めていくことも重要です。
次からは、自宅学習を支える具体的な親の関わり方として、子どものやる気を引き出す声かけや接し方、そして志望校に向けた学習の進め方について詳しく解説していきます。
子どものやる気を引き出す声かけと接し方
自宅学習では、子どもが学びに前向きであることが何よりも重要です。無理にやらせようとすると反発やストレスに繋がるため、やる気を引き出す接し方が求められます。
まず意識したいのは「結果よりも過程を褒めること」です。たとえば、「最後まで集中してたね」「考え方が面白かったね」といった声かけは、子どもに「見てもらえている」という安心感を与えます。
また、学習に取りかかる前に「今日はどれをやってみる?」と選択肢を与えるのも効果的です。自分で選んだという感覚は、主体性を育みます。
親が一緒に取り組む姿勢もポイント。すぐに教えるのではなく、「どう思う?」「どこで困った?」と問いかけながら進めることで、子ども自身が考える力を身につけます。
学習の成功体験を積み重ねることで、子どもの自己肯定感が高まり、やる気が持続するようになります。
志望校に向けた学習の進め方と注意点
志望校が決まったら、その学校の出題傾向や評価ポイントに合わせた対策が重要です。しかし、自宅学習のみで対応する場合、やみくもに教材をこなすだけでは非効率になりがちです。
まずは、志望校の過去の出題内容や入試の特徴を調べましょう。図形問題が多いのか、行動観察で何を見られるのかなど、方向性を把握することが学習計画の土台になります。
次に、その内容に応じた対策を段階的に組み立てることがポイントです。例えば、思考力問題が多い学校であれば、年中までは基礎的なドリルで集中力をつけ、年長からは応用問題や過去問類似の問題に取り組む、といったスケジュールを立てるとよいでしょう。
注意したいのは、「すべての科目を完璧にやろうとしすぎないこと」。苦手な分野を補うのは大切ですが、得意を伸ばして合格につなげる戦略も必要です。
また、行動観察や面接対策は、日常の生活での態度や家庭での会話の積み重ねが評価されることが多いため、机上の勉強だけでなく、日々の過ごし方にも目を向けましょう。親子のやり取り自体が学びの時間になります。
まとめ:自宅学習でも小学校受験はしっかり対策できる
自宅学習で小学校受験を目指すご家庭にとって、重要なのは「環境を整え、家庭でできる学びの質を高めること」です。市販のドリルや知育おもちゃ、読み聞かせ用の絵本、巧緻性を養うグッズなど、家庭で使える教材やアイテムは数多くあります。
また、学習環境を支えるタイマーやモンテッソーリ的生活習慣のグッズ、さらには受験の助けになる教材も活用すれば、塾に通わずとも十分な対策が可能です。
最も大切なのは、子どもが「学ぶことが楽しい」と感じられる関わり方と、家庭ならではの柔軟なサポートです。親子で一緒に取り組む時間が、学力だけでなく自己肯定感や社会性も育ててくれます。
この記事で紹介した教材や方法を参考に、無理のない自宅学習を続けていけば、志望校合格という目標にきっと近づいていけるでしょう。ご希望の学校の情報を積極的に得るとともに、自宅での小学校受験、ぜひ自信を持って取り組んでください。


